不動産関係紛争
(土地・建物の売買、借地・借家問題、境界争い、マンション管理)
土地・建物の売買に関する紛争については、紛争の目的物たる土地・建物の価格が高いこと、借地・借家に関する紛争については、契約時の契約内容に関する双方の認識のズレ(錯誤)に起因することが多いこと、土地の境界争いやマンション管理については、隣人との人間関係上のトラブルと密接な関係があることが、それぞれ特徴です。
こうした不動産関係紛争については、契約関係書類の入手、法務局で管理されている公図等の入手、境界杭の有無・位置の確認、過去の現場写真の入手等、いわば客観的な証拠の確保が肝心です。
まず、土地・建物の売買に関しては、多くの人にとって一生に1回ということが多く、高い買い物で、思い入れもあり、不動産市況が冷え込む状況下、不動産の売却を強引に進める不動産ブローカーも後を絶たず、トラブルが絶えません。不審に思った時は、契約前に、是非、相談をお越し下さい。
また、借地・借家問題に関しては、契約条件を詰めて契約するという習慣が日本社会には根付いていないせいか、時間の経過ともに不満が蓄積し、賃料の増額・減額、契約関係の継続・解消(明け渡し)などを巡って利害対立することが多く、借家については、賃貸人の修繕義務の範囲、賃借人の原状回復義務の範囲(その義務の範囲が、結局、敷金返還請求権の範囲を決めることになります)がよく問題になります。
また、土地の境界争いについては、本来は経済的価値は余りなくても、感情的な対立が激しくなるケースが多く、和解的決着が望ましいと言えますが、それも無理なら、法務局にて筆界確定手続を申し立てるか、裁判所に境界確定ないしは所有権界確認の訴訟を提起する必要があります。土地家屋調査士に依頼して、境界を確認する図面を作成するなどして事件解決まで長期に亘るケースも多々あります。
更に、マンション管理については、マンションオーナー(建物区分所有権の所有者)相互が、例えば、マンションの修繕の要否、内容などを巡って意見が対立したり、また、一部のマンションオーナーが管理費を滞納したり、管理規則に反する行為をした場合、人間関係を考慮しつつ、適正に対処する難しさがあります。